当院では、歯周病の方にも、手術前の口腔ケアの方にも、洗口液としてモンダミン ハビットプロ(歯科医院専売)をすすめています。なぜこれなのか、少し専門的な話を正直に書きます。
本当は、別の成分が最強だった
洗口液の有効成分として、世界的に最も実績があるのはクロルヘキシジン(CHX)です。海外では0.12〜0.2%という濃度で使われ、プラークを抑える力は他の成分と比べものになりません。歯科の教科書で「洗口液のゴールドスタンダード」と呼ばれてきた成分です。
ところが、わが国では過去の経緯から、口の中に使えるクロルヘキシジンの濃度が、海外よりずっと低く抑えられています。桁が違います。その濃度で「最強の成分」を使っても、海外の報告のような効果は出ません。正面から戦っても勝てない、ということです。
当院も長いあいだ、クロルヘキシジン系の洗口液(コンクール)をおすすめしてきました。理屈の上では、それが正解だったからです。
正面突破をやめて、別のところで勝った
ハビットプロが採用したのは、塩化セチルピリジニウム(CPC)という、それ自体はごくありふれた成分です。単体の力ではクロルヘキシジンに及びません。
この製品が優れているのは、成分ではなく設計です。
- 歯の表面や粘膜に吸着して、留まる処方。流れてしまえば効果はその場限りですが、留まれば時間稼ぎができます
- 続けられる味。これがいちばん大きい。どんなに効く処方でも、毎晩30秒、すすがずに寝るのが苦痛なら続きません。続かないものは、効かないのと同じです
有効成分の強さで勝負するのをやめて、口の中に留まる時間と、患者さんが続ける率で、トータルの収支を勝ちにいった。私はこの設計を評価しています。
自分で使って、あっさり宗旨替えした
私自身がハビットプロを使うようになって、あっさり宗旨替えしました。理屈ではなく、続いたからです。患者さんも同じで、リピート率が非常に高い。一度使った方が、自分からまた買いに来ます。ご主人の口臭が気になって、奥さんが買っていかれるケースもあります。洗口液で「また買いに来る」というのは、それだけで答えになっていると思います。
手術のあとでも違いが出る
インプラント手術のあとの含嗽剤としても優秀です。傷口を縫った糸にはプラークがつきやすいのですが、ハビットプロで含嗽している方は、縫合糸へのプラークの付き方が目に見えて違います。術後の感染を防ぐうえで、これは大きい。
当院での使い方
- ふだんの歯周病予防:夜の歯磨きのあと、30秒はタイマーで測って口に含み、水ですすがずそのまま寝る
- 手術・入院の前:クリーニングのあとから、1日2〜3回、1回12ml、30秒。受付で1080mlと380mlをお求めいただけます(入院・手術前の口腔ケア)
- インプラントなど口の中の手術のあと:傷が落ち着くまで、同じ要領で
ふだん磨くのが苦手な方でも、これだけは続けてくださることが多い。
正直に言っておくこと
同じ濃度のCPCを配合した製品は、他にもあります。当院がそれらの有効性をくまなく比較検証したわけではありません。当院の患者さんで続けてもらえて、結果が出ているのがハビットプロだった、というのが正確なところです。身も蓋もない言い方をすれば、続けてもらえているものが正しい。洗口液は、成分の勝負ではなく、継続の勝負です。
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