当院のこと

うちの診療台には名前があります

当院の診療台(ユニット)には、名前がついています。アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ。

普通は番号です

たいていの歯科医院では、診療台は端から1番、2番、3番と番号で呼びます。当院も最初はそうしようと思いました。ところが、これが歯科医院では具合が悪い。

歯科医院には、もともと番号が飛び交っています。歯には一本ずつ番号がついていて、前歯の真ん中から1番、2番、3番と奥へ数えます。診療中に「3番」と言ったら、歯のことなのか診療台のことなのか分からない。

ではアルファベットにするか。A、B、C。これも駄目です。乳歯はAからEのアルファベットで呼ぶ決まりなので、「Cお願いします」が乳歯のCに聞こえます。

数字も駄目、アルファベットも駄目。しかも歯科医院は、削る音、吸引の音、滅菌器の音で、始終うるさい。この雑音の中で、絶対に聞き間違えない呼び方はないか。

せや、無線のあれがある

答えは、無線の世界にありました。パイロットや船員が、雑音だらけの通信でアルファベットを聞き間違えないように使う、フォネティックコードです。Aはアルファ、Bはブラボー、Cはチャーリー、Dはデルタ。もともと「聞き間違えないため」に作られた言葉なので、「アルファ」と「デルタ」を取り違える人はいません。歯の番号ともぶつからない。

実際の申し送りは、こんな具合です。「アルファは3番から3番までSRP、ブラボーは1番のキャドカン、チャーリーは2番のSPです」。数字は全部歯の番号、名前は全部診療台。どれがどれか迷う余地がありません。

というわけで、当院の診療台は端からアルファ、ブラボー、チャーリー、デルタです。「チャーリーにご案内します」と言われたら、それは3台目の診療台のことです。乳歯の話ではありません。

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